「天使の園」庄司陽子

 

今回のおすすめ少女まんがは庄司陽子さんの短編「天使の園」～。
　
『愛のあらし』という単行本に収録されています。
1975年の『週刊少女フレンド』に発表されたイギリスの全寮制女子校を舞台にした作品です。
庄司さんといえば学園ドラマ「生徒諸君！」が有名ですよね。
ミッションスクールものを描かれていたのは知らなかったので新鮮でした！
女子校ものならではの女性同士の友情や愛憎が描かれた作品です。

このめがね女性、オーリア・ハミルトン院長。
ミンチン先生（「小公女」に出てくる意地悪な先生）か、堅物の寮長か、といったビジュアルですよね？
このジャンルには欠かせないキャラクターです。
転校してきたヒロインに対する「こまりますね」という冷ややかな口調が悪役なのかな？と思わせるのですが・・・。
　　　　　　

サスペンスタッチ・・・

今まで友人に恵まれなかったヒロインはルームメイトと仲良くできれば・・・と思っていたのですが、恋愛沙汰に巻き込まれてしまいなかなかうまくいきません・・・（泣）
これも女子校ものではお約束ですね・・・。



しかも、２位の方の名前が「オリビア・ニュートンジョン」。

ファンだった？

優秀な席次をおさめたマーゴットに声をかけるハミルトン院長。
上のページとはずいぶん違う態度ですね。現金というか・・・。

ヒロインの名前が「マーゴット・ミッチェル」でマーガレット・ミッチェルに似てる・・・というのはさておいて（笑）

 

転入生のジーンはマーゴットがようやくめぐり会った親友でした。
二人が初めて出会ったシーンです。マーゴットの涙が印象的ですね・・・。

タバコと飲酒がトレードマークのちょっぴり不良少女ジーンです

かけがえのない親友 ジーンとのすばらしい学園生活・・・。
このまま幸せが続くものと思われたのですが・・・。
　　　　　　　
　　　
　　

　　

　

　

　　

「キラーン！」

冒頭で存在感を示した院長がテニスの試合で活躍するマーゴットを見て目を光らせます！

初登場のコマと同一人物には見えないです・・・。
その理由はこの後わかります・・・。

　　

 

大事なコマは黒ベタで処理

試合後に院長の自宅に呼び出されたマーゴットを待っていたのは・・・。

長髪の美青年・・・？
 

　　

 

　　

ではなく、私服の院長でした・・・！！

普段とキャラが違いすぎてびっくりですね。

しかも「男の人・・・・・・みたい！」と言わしめるほどの完成度！

テニスの才能を見込まれたマーゴットは異様さを感じながらも院長から特訓を受けることに・・・。

（院長は学生時代にテニスの選手だったという設定です。）

　

 

 

親友ジーンに院長の変貌ぶりを相談するとずばり「恋してる」という答えが・・・。
信じられない、という表情のマーゴット・・・。
院長の恋路はいかに・・・。
 

秘密の特訓スタイル（笑）

いちいちこの男装キャラになるのが本気モードを感じます・・・。

　　

 

 

　

院長の激しい思慕におののくマーゴット・・・。

この後は院長の狂気じみた嫉妬が親友ジーンの命を奪ってしまうという悲しすぎる結末を迎えます・・・。

 

マーゴットが学校を去るラストシーン・・・。
喜びと悲しみが入り混じった寮生活を振り返りながら前向きに生きてこうと心に誓います。
女子校を舞台にした作品でも池田理代子さんの「おにいさまへ・・・」のような華麗な作風ではなく、庄司さんらしいリアルさが失われない作品になっていて面白かったです。「生徒諸君！」のナッキーを思わせる快活なヒロインや、不良少女のジーンなど女性キャラクターがかっこいい系なのも珍しいかも。娘役のいない宝塚のような・・・。オーリア先生の男役への変身ぶりもすごかったですよね（笑）

最後にジーンの名シーンをご紹介します・・・。

親友の名誉を守るために啖呵をきるシーンなんですが、スケ番ぽくてかっこいいですね！
この日記に書いていない見せ場がまだたくさんあるので、興味を持った方はぜひ読んでみてください！