2014年4月21日月曜日

伝記まんがは乙女の教科書

 
ばかすぎるタイトルですみません・・・!
伝記まんがとは学校で堂々と読める稀少なまんがなんです!
少女まんが狂のルル子(小学1年生)は歴史まんがを含めて全タイトル借りました(笑)
親に勉強目的というまんがと違う枠で買ってもらえるのもポイントです。
唯一の不満は少女まんがっぽい絵のものが少ないことですが、その中で気に入っていたのは上の『キュリー夫人』。
森有子さんという作家さんの作品です。『マーガレット』で活躍されて、単行本も数冊出ています。
絵がレトロっぽくてかわいいのでこの絵を見つけると買っていました。こういう線の絵は最近あまりみないですよね。
   
マリーが物理に恋した瞬間・・・!
 
苦学生の下宿=屋根裏!
 
食べてみたいまんがご飯のひとつ(笑)
 
ラジウムの発見シーン
 
もう1冊は『ジャンヌ・ダルク』♪
こちらは80年代当時の画風ですね。この華やかな表紙に一目ぼれして即購入しました!
原のり子さんによる作品です。
デビューは白泉社で、ハーレクインのコミカライズも多数出ています。


ホワイトの使い方にときめきます☆
 
ジャンヌの髪型にあこがれていました・・・♪
 
「御身がもとにお導きください」(泣)
 
火刑シーンは児童向けまんがと思えない迫力・・・!


おまけ
『エジソン』の名シーンをご紹介しますね。
絵が少女まんがではないですが、エジソンの伝記はエピソードが型破りで面白いです。





プロポーズがモールス信号!!!ハイブロウ!?
 
研究に没頭し、奥さんの存在を忘れてます!ひどい!
 
伝記まんがは図書館に必ず置いてあると思いますので、読んでみてお気に入りを見つけてくださいね!
 

2014年4月15日火曜日

『おとめの祈り』むれあきこ 第2部

 

前回の続きの第2部です~。
二人の少女はどうなるのでしょうか?

朝ごはんはパン♪
 
当時の牛乳は1本20円前後だったみたいです。
コンサートに出かけた日の翌日の朝食の風景。
順子さんは千秋さんに留守番を頼んで仕事に出かけます。


花屋の娘さんの聞いているレコードの音色が在りし日の自分を思い出させます・・・。
またあの日のように歌えたら・・・。


順子さんの心遣いに感謝する千秋さん。
再出発したいと願いますが・・・。


あの嫌なおじさんが順子さんの下宿に押しかけてきてしまいました!!
別れたと見せて後をつけていたんですね・・・。
「人のものに手をつけるなだと? おまえがそんなことをいえたがらかい」
なんと、おじさんは千秋さんにスリや万引きをさせていたというのです!極悪!!



順子さんの預金通帳を持ち出そうとするおじさん!
根こそぎ持ち去るつもりです!
千秋さんが止めても言うことをききません・・・。
自分がここにては順子さんに迷惑になると思い、おじさんと出て行くことを決心します・・・。

その頃、順子さんは・・・。
会社のお使いで声楽家の三井すみ子さんの自宅へやってきました。
声楽の勉強を再開したいと思っている千秋さんのことも相談できたらいいのですが・・・。


「三井すみ子っていうらしいけど 千秋さんがレッスンにいってた先生は何ていったっけ?」
(読者のみなさんはおわかりですよね?)

クッキーおいしそう
お使いを終えてお茶をごちそうになる順子さん。


千秋さんの身の上を話し始めます・・・。
三井先生は途中でやめてしまった生徒、千秋さんのことを覚えていました!


しかも!
もう一度おけいこをみてくれるというのです!
なんという奇縁でしょうか!


「あしたにでもつれていらっしゃい」
「こんなに早く 手づるができるとは思わなかった!」
自分のことのように喜んでいる優しい順子さんです。
 

順子さんが家に着くと千秋さんの姿は消えていました。書置きを残して出て行ったのです・・・(泣)
嬉しい報せを聞かずに・・・。


花屋の娘さんが千秋さんがおじさんと出て行くのを見たと教えてくれました。
「やせて目つきのわるい男よ」
引き止めてほしかったですね・・・(泣)


オーバーやツーピース、時計、貯金通帳が持ち去られたことに気づいた順子さん!
警察に届け出ることに・・・。
 
指名手配!!似てる!


手配書を持った警官が千秋さんとおじさんを見つけました!

「ガチャリ」(毛深い)
警察に捕らえられたおじさんは刑務所へ、千秋さんは少年院へ行くことになりました・・・。


「何をすればいいの またスリかい」
「いいえ うたのお勉強をはじめるのよ 千秋さん!」
やけになっている千秋さんをけんめいに励ます順子さん・・・。


面会に来てくれた三井先生の暖かい言葉に感動する千秋さん・・・。


「どうかいつまでもお友だちでいてあげてくださいね」
(お友だちでいてほしいとねがうのはむしろ私の方よ 親も姉弟もないみなしごの私なんですもの 千秋さん!)


二人に勇気づけられた千秋さんは歌の練習を再開したということです!
ステージで輝く日も遠くないでしょう・・・。
晴れやかな千秋さんの笑顔で物語は締めくくられました。


おまけ。
当時の少女まんがの画風を少し紹介します~。
この作品より2、3年後の絵だと思うので少し華やかになっていますが、丸顔のおさない輪郭が同じ系統かな?と思います。頭が大きくて首が細いというお人形さんみたいなかわいらしいスタイルですね。
まずはむれあきこさん。黒目がちの優しい瞳がすてきですね。

長い三つ編みをもてあそぶ(笑)
松尾美保子さんも優しい瞳の描写が特徴的ですね。繊細な睫毛にうっとり。松尾さんの単行本が復刊されるといいなあ。バレエものとか読みたくないですか?
 
髪の毛もキラキラ
『りぼん』時代の牧美也子さん。タレ目がちの甘いかわいらしい瞳ですね。大人気作品「マキの口笛」です。落ち着きがあるようなしっとりさがあります。

 
大ベテランの武田京子さん。松尾さんのような優しげな描写ですが、バタ臭いかんじが薄めですね。日本ものを多く描かれているのでぴったりです。


このブログで何回も登場しているわたなべまさこさん。
頭の大きさのバランスなどは似ているのですが、虹彩の描き方、主線とそれ以外のディテールの線のメリハリなどが他の方と違う個性がありますね。

 
ルル子は60年代の絵が好きなんですが、このあとはみなさん絵柄が変わっていくのでそういう点も面白いです。機会を改めてご紹介しますね。
 
 

2014年4月9日水曜日

『おとめの祈り』むれあきこ 第1部

涙を落書きしたのはルル子じゃないです
貸本少女まんがを読みました。
若木書房のひまわりブックというシリーズの「おとめの祈り」です。
この出版社で有名な作家さんはわたなべまさこさん、巴里夫さん、矢代まさこさん、池田理代子さんなどなど・・・。商業誌でも活躍されている方がたくさんいます。

この「おとめの祈り」はむれあきこさんという作家さんの作品です。
初めて読んだのでインターネットで検索してみたのですが、50年代から活動されていました!
ベテランですね!少女まんが黎明期を支えた方なんだなと感動しました・・・。
貸本は奥付に発行日の記載がないので詳細は不明ですがこの本は内容的に60年代前半の作品ではないかと思います。(コマわりや服装などから推測)
この後はシリーズものが20冊以上出ているということなので、若木書房では人気作家さんだったようです。商業誌で活動したかは不明でした。

「おとめの祈り」という題名なので女子校ものか音楽ものかなと思って読み始めたのですが、境遇の違う二人の少女の友情物語でした。

第1ページ目。広がりのある見開き。

仲良しの千秋さんと順子さん
階段に座って仲良く話し込んでいる少女二人がこの物語のヒロインです。
おさげの少女が順子さん、若草色のオーバーが千秋さん。
順子さんは20倍の競争をくぐりぬけて新聞社への就職がきまったようです!

少女歌劇(宝塚?)の試験を受けた千秋さん
「こんどはあなたの番ね」
高校受験はせず、少女歌劇の試験を受けたという千秋さん!夢はスターです!

声楽の先生の反対をおしきって受験したという自信家です。
「みすみす1年見送るのはバカげているじゃない」
そうとうの自信家ですね!!
 

大スターを夢見る千秋さん・・・。うっとり・・・。
すでに大スターになった自分を想像してる千秋さん・・・。
気が早いですね~。

就職が決まってゴキゲンの順子さん
両親を亡くした順子さんは親戚に引き取られているという設定。高校進学を勧められたのですが、辞退して就職の道を選択しました。就職先が決まって希望に満ち溢れています。

千秋さんの歌の練習におにいさまはうんざりらしいです(笑)
高校受験を放棄した千秋さんは歌の練習にはげみます。

先生をばかにした態度の千秋さん・・・。
 「たこのくそが頭に上がったやつは今にだれも相手にしてくれなくなるぞ」というおにいさまのお小言も耳に入りません・・・。


「あんなわからずやの先生は首よ もういかないわっ」
どこまでも強気の千秋さんですが・・・。


翌日受け取った通知には非情な「不合格」の三文字・・・。
高校受験も準備していなかったため失敗するという結果に・・・。

 
両親に怒られて家を飛び出してしまう千秋さん!
どうなってしまうのでしょうか?
   

二年後。
新聞社の学芸部で働く順子さん。相変わらずおさげ(長い)とミニスカート。

ダンディな部長さん
部長さんにコンサートのチケットをもらいました。
2枚あるので誰かを誘おうと思い・・・。

千秋さんはいずこに・・・
中学の頃の友人 千秋さんを思い出します。
家を飛び出した千秋さんはどうしているのでしょうか・・・? 

目がキラキラしてますね☆

街角でこわいおじさんとぶつかりそうになって怒鳴られてしまいました・・・。
(震えてますね・・・)

 
おじさんと一緒に歩いている女性に気づき声をかけます。
「千秋さんじゃない?」
なんというタイミングでしょうか!2年間音信不通だった千秋さんだったのです!



2年ぶりの再会に喜ぶ順子さんをよそになぜか浮かない顔の千秋さん・・・。
「ふいにであったので何だか胸につかえて」
かつての自信満々の様子とは別人のようですね。

お花屋さんのスモックがかわいい
下宿先の花屋さんの屋根裏に千秋さんを案内することに・・・。
屋根裏といえば女性の下宿先の定番ですね(笑)
吉屋信子さんにも「屋根裏の二処女」という作品があります。
ルル子も「キュリー夫人」や「小公女」を読んであこがれたな~。 

「ジャー」
順子さんのささやかなお城。
ハートもようのカーテンや机の上のお人形がかわいらしいですね。
焼き海苔の缶が生活感を演出(笑) 
 

千秋さんが元気がなかったわけは・・・。
さっきのおじさんに働かされていたからなんですね!
「それを恩にきせてどこまでもくっついてくるわ」


楽しそうな順子さん・・・
おじさんから離れて自分の屋根裏に住むようにすすめる順子さん。
「あんんたってちっともかわってないのね」
「忙しくてそんなひまないわ」
優しいほほえみがうれしいですね・・・。 

 
「あなたのほうが大きいのね」
学生時代に戻ったように楽しく過ごす二人・・・。
ネグリジェを着ておやすみなさい・・・。
 
翌日。
買い物の後で部長さんにもらったコンサートに行くことに♪

 
「混声合唱のローレライになった時彼女の顔はだんだんとゆがんで・・・・・・」
歌劇スターの夢を絶たれた千秋さんは華やかな舞台を見ることもつらかったんです・・・。

 
 たまらなくなって劇場を飛び出してしまった千秋さん。
「頭のてっぺんがぞくぞくするわ」
「わたしもやりたい うたいたいわ 昔のように!」
歌い手になるという夢は捨てきれなかったのですね・・・。
 
ここで第1部完です。
二人の運命はいかに?
 
第2部をお楽しみに~。