2012年8月15日水曜日

ちばてつや『1・2・3と4・5・ロク』(双葉社名作シリーズ)


(ちょっとねたばれです☆)
    
『1・2・3と4・5・ロク』を読みました。
1962年に『少女クラブ』で連載された作品です。
 5人きょうだいのホームドラマですが、パパが刑事という設定でアクション要素もあり、ある事件の犯人の子どもとの同居というシリアスなテーマも含まれています。
しっかりものの長女 一枝、優等生の次郎、おてんばな次女 三枝、甘えん坊の四郎、赤ちゃんのいつ子の五人。ロクは犬です♪
少女誌連載ということでメインは三枝です。
ポニーテールとミニスカートの似合う元気な少女はちばさんの定番ですね。『ユキの太陽』とか、『あしたのジョー』のサチが思い出されます。
   

初期の代表作『ママのバイオリン』は数奇な運命に翻弄されてしまう母もの系だったのでちばさんらしくないなあという印象があったかもしれないですが、この作品はみなさんによく知られているちばさんらしい雰囲気でした。優しい絵柄と丁寧な描写は少女まんがにぴったりですよね。多彩なサブキャラクターもいきいきと描かれています。
団地へ引っ越したために別れざるをえなかった愛犬ロクとふたたび暮らすまでの物語なのかなと思ったらチョット違ってました。
非常につらい出来事が唐突に起こったのでびっくりしました・・・。
失敗作になりかねない展開でしたがちばさんの力量で人間味あふれた名作になっています。  
       

ポニーテールをしたまま眠ったらしい三枝ちゃん・・・。
「くしは じぶんで いれなさい」
「サンキュー」
    

こういう生活感のある描写はちばさんの得意ジャンルですね!
他にも商店街やお風呂など貴重な資料になりそうな絵がたくさんありました。
大ゴマで部屋の様子やお風呂などが描かれていて見ていて楽しかったです。
     
      

0 件のコメント:

コメントを投稿