引き続き講談社のまんがを引っ張り出して眺めています。
講談社系のまんがの中で外せないもののひとつが高階良子さんの作品です。
どこかで読んだのですが、彼女の転機となった作品は『黒とかげ』(江戸川乱歩原作)だったんですって。
それまではふつうのラブコメのような作品を描いていて、低迷期だったとのこと。
自分の好きなものを、と思い切って発表した『黒とかげ』が好評をはくしてからはミステリ、伝奇ロマンの分野で数々の名作を発表しています。
青池保子さんも講談社ではスランプ時代を過ごしていましたから、少女誌の制約が強かった時代だったんですね(中でも講談社はマジメな印象かな?)。
『地獄でメスがひかる』は1972年になかよしに掲載された作品です。
この表紙、夢二式美女の流れをくむ、と言いたい高階式美女ですばらしいですね…。
憂いをふくんだ流麗な身のこなしに不似合いな血みどろ感…。
怪奇ロマンにピッタリな絵で大好きなんです。
この作品はヒロインが女性版フランケンシュタイン…というのが独創的でした。
容姿に恵まれず、誰からも愛されない少女・ひろみが脳移植によって美少女に大変身してしまうんです(大胆な設定!)。
この創造的行為は無免許医・巌(もちろん美男子)が、自分を追放した医学界を見返すための手段なので葛藤が生まれることに…。
巌は野心のためにひろみを犠牲にするのか…?
2つの傷ついた魂、ひろみと巌の行方は…?
わー、書いていてかなり盛り上がってしまいました…。
文庫化されていて、現在も入手しやすいと思うのでお手にとってみてください。