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涙を落書きしたのはルル子じゃないです |
貸本少女まんがを読みました。
若木書房のひまわりブックというシリーズの「おとめの祈り」です。
この出版社で有名な作家さんはわたなべまさこさん、巴里夫さん、矢代まさこさん、池田理代子さんなどなど・・・。商業誌でも活躍されている方がたくさんいます。
この「おとめの祈り」はむれあきこさんという作家さんの作品です。
初めて読んだのでインターネットで検索してみたのですが、50年代から活動されていました!
ベテランですね!少女まんが黎明期を支えた方なんだなと感動しました・・・。
貸本は奥付に発行日の記載がないので詳細は不明ですがこの本は内容的に60年代前半の作品ではないかと思います。(コマわりや服装などから推測)
この後はシリーズものが20冊以上出ているということなので、若木書房では人気作家さんだったようです。商業誌で活動したかは不明でした。
「おとめの祈り」という題名なので女子校ものか音楽ものかなと思って読み始めたのですが、境遇の違う二人の少女の友情物語でした。
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第1ページ目。広がりのある見開き。 |
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仲良しの千秋さんと順子さん |
階段に座って仲良く話し込んでいる少女二人がこの物語のヒロインです。
おさげの少女が順子さん、若草色のオーバーが千秋さん。
順子さんは20倍の競争をくぐりぬけて新聞社への就職がきまったようです!
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少女歌劇(宝塚?)の試験を受けた千秋さん |
「こんどはあなたの番ね」
高校受験はせず、少女歌劇の試験を受けたという千秋さん!夢はスターです!
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声楽の先生の反対をおしきって受験したという自信家です。 |
「みすみす1年見送るのはバカげているじゃない」
そうとうの自信家ですね!!
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大スターを夢見る千秋さん・・・。うっとり・・・。 |
すでに大スターになった自分を想像してる千秋さん・・・。
気が早いですね~。
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就職が決まってゴキゲンの順子さん |
両親を亡くした順子さんは親戚に引き取られているという設定。高校進学を勧められたのですが、辞退して就職の道を選択しました。就職先が決まって希望に満ち溢れています。
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千秋さんの歌の練習におにいさまはうんざりらしいです(笑) |
高校受験を放棄した千秋さんは歌の練習にはげみます。
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先生をばかにした態度の千秋さん・・・。 |
「たこのくそが頭に上がったやつは今にだれも相手にしてくれなくなるぞ」というおにいさまのお小言も耳に入りません・・・。
「あんなわからずやの先生は首よ もういかないわっ」
どこまでも強気の千秋さんですが・・・。
翌日受け取った通知には非情な「不合格」の三文字・・・。
高校受験も準備していなかったため失敗するという結果に・・・。
両親に怒られて家を飛び出してしまう千秋さん!
どうなってしまうのでしょうか?
二年後。
新聞社の学芸部で働く順子さん。相変わらずおさげ(長い)とミニスカート。
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ダンディな部長さん |
部長さんにコンサートのチケットをもらいました。
2枚あるので誰かを誘おうと思い・・・。
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千秋さんはいずこに・・・ |
中学の頃の友人 千秋さんを思い出します。
家を飛び出した千秋さんはどうしているのでしょうか・・・?
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目がキラキラしてますね☆ |
街角でこわいおじさんとぶつかりそうになって怒鳴られてしまいました・・・。
(震えてますね・・・)
おじさんと一緒に歩いている女性に気づき声をかけます。
「千秋さんじゃない?」
なんというタイミングでしょうか!2年間音信不通だった千秋さんだったのです!
2年ぶりの再会に喜ぶ順子さんをよそになぜか浮かない顔の千秋さん・・・。
「ふいにであったので何だか胸につかえて」
かつての自信満々の様子とは別人のようですね。
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お花屋さんのスモックがかわいい |
下宿先の花屋さんの屋根裏に千秋さんを案内することに・・・。
屋根裏といえば女性の下宿先の定番ですね(笑)
吉屋信子さんにも「屋根裏の二処女」という作品があります。
ルル子も「キュリー夫人」や「小公女」を読んであこがれたな~。
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「ジャー」 |
順子さんのささやかなお城。
ハートもようのカーテンや机の上のお人形がかわいらしいですね。
焼き海苔の缶が生活感を演出(笑)
千秋さんが元気がなかったわけは・・・。
さっきのおじさんに働かされていたからなんですね!
「それを恩にきせてどこまでもくっついてくるわ」
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楽しそうな順子さん・・・ |
おじさんから離れて自分の屋根裏に住むようにすすめる順子さん。
「あんんたってちっともかわってないのね」
「忙しくてそんなひまないわ」
優しいほほえみがうれしいですね・・・。
「あなたのほうが大きいのね」
学生時代に戻ったように楽しく過ごす二人・・・。
ネグリジェを着ておやすみなさい・・・。
翌日。
買い物の後で部長さんにもらったコンサートに行くことに♪
「混声合唱のローレライになった時彼女の顔はだんだんとゆがんで・・・・・・」
歌劇スターの夢を絶たれた千秋さんは華やかな舞台を見ることもつらかったんです・・・。
たまらなくなって劇場を飛び出してしまった千秋さん。
「頭のてっぺんがぞくぞくするわ」
「わたしもやりたい うたいたいわ 昔のように!」
歌い手になるという夢は捨てきれなかったのですね・・・。
ここで第1部完です。
二人の運命はいかに?
第2部をお楽しみに~。