ご無沙汰してます!!
久しぶりの日記です。
ひだのぶこさんの「美奈」という短編を読んだので紹介しますね~。
1973年に『少女コミック』に掲載された作品です。
ヒロインの中原美奈は人気歌手。
今で言うアイドルですよね。
「レコード 売りあげ ブロマイド人気 ベスト1」とあるので人気絶頂ですね!
本番終了後、不調に苦しむ美奈・・・。
単なる疲れとは思えない深刻な状態に見えますね・・・。
美奈が歌手になるきっかけはマネージャーによるスカウトでした。
(以下回想シーンです)
音楽の授業中に聞こえてきた美奈の歌声にほれこんだマネージャーが教室に入ってきました!!
「あなた歌手になる気ない?」
唐突なスカウトに驚く美奈。
その後は見込みどおりの大活躍を見せるのですからマネージャーの目は確かだったですね。
回想が終わって、学校のシーン。
不良のユリが登場。黒髪ストレートと切れ長の瞳が迫力ですね。
「ハーイ 徹帰ろう」
先生の呼び出しを無視しようとしている橋本徹くんを心配する美奈ですが・・・。
ユリにすごまれてしまいました!
学校でも芸能界でも人気者の美奈を目の敵にしているようです・・・。
「でしゃばるんじゃないよ」
「わたしたちに何をしてくれたってんだ 美奈さん」
ひがみっぽくひねくれてしまっているユリです・・・。
橋本徹くんはお父さんが亡くなって1週間もしないうちにお母さんが他の男性のもとに行ってしまったのがきっかけで人間不信になったそうです・・・。
根っからの不良ではなく、さびしかったんですね・・・。
ユリと帰るのを止して、美奈のテレビ収録についてきた橋本くんの前に人気者の南城くんが登場。
スターだけにきらびやかな装いですね!!
インナーが光っています。ラメかスパンコールによる輝きでしょうか。
ファーのコートもスターならではですね。
腰に手を当てて堂々とさわやか交際宣言をする南城くんに圧倒される橋本くん・・・。
美奈は本番中です。
「しかし きょうの 美奈ちゃん のってるな」
美奈の熱唱に感心する南城くん。
橋本くんも美奈のパフォーマンスに魅せられて・・・。
「わ・・・たしは 美奈ちゃんが ほんとの天使 みたいに 見えたわ!!」
マネージャーも感動のあまり泣いています。
圧巻のステージだったようですね!!グアムで南城くんと撮影していたため長期欠席をしていた美奈をあたたかく迎えるクラスメイトたち。
長く休んだのはグアムでかぜをひいたためと言っていますが・・・。
何だか不自然ですね?
大丈夫ではなさそうな・・・。
終業式のあとに行われた学校のクリスマス会でコンサートが開催されました。
豪華ですね♪
ステージ上の二人に嫉妬してしまう橋本くん・・・。
面白くないので、学校から抜け出してしまいました。
が、やっぱり気になって学校に戻ってくると・・・。
保健室で苦しむ美奈を発見・・・!
「医者 よんできて やる」
慌てて医者を連れてこようとする橋本くんを引き止める美奈・・・。
「いいのよ わたし・・・ 歌いたいの・・・」
「やめろ きょうは むりだ」
真っ青な美奈を懸命に引き止める橋本くん・・・。
と、それを見ていたユリに嫉妬の炎が・・・!!
ただではすまない雰囲気ですね・・・。
橋本くんの心遣いが嬉しい美奈は自分の気持ちに気づき始めます。
(ひとりの人の愛が ほしかったのかも しれない・・・)
帰宅した橋本くんを待っていたのは家を出て行ったお母さん・・・。
美奈から電話をもらって会いにきたのだそうです・・・。
そこまで橋本くんの心配をするようになっていたんですね・・・。
橋本くんのお父さんと結婚する前から想い合っていた、といういきさつをきいて、人間不信になっていた心がほどけていくのを感じる橋本くん・・・。
(おれの母親としては 許されない)
(しかし女性としては 許せる)
美奈のおかげですね・・・。
人間不信から立ち直った橋本くんは不良をやめたいとユリに告げます。
橋本くんの裏切りが許せないユリ・・・。
「あなたまで あの娘が 好きになったって いうの」
「ああ たぶん ずーと 前からそうだったのかも しれない」
自分の気持ちを素直に告げます。
「いやよ・・・ みんな 美奈 美奈って」
「わたしから はなれ ないで」
懸命に引き止めますが、返事をしない橋本くん・・・。
これまでと違う橋本くんの態度に冷静さを失ったユリはー。
勢いあまって橋本くんをナイフで刺してしまいました・・・!!
「こんなこと・・・」
「するつもりじゃ なかった ただ おどろかすだけの・・・」
「やること なすこと うまくいかないでーっ」
悲痛な叫びを残して立ち去るユリ・・・。
二人ともかわいそうですね・・・。
傷を負った橋本くんは美奈に会うためにテレビ局へ向かいます・・・。
けがが心配です・・・。
テレビ局に着くと、
「よかった・・・ 美奈ちゃんが あなたに 会いたがっているの」
(南城じゃなく おれに!?)
美奈の気持ちを知らない橋本くんは驚きを隠せません・・・。
お母さんの告白により美奈が脳腫瘍であり死が近いことが知らされます・・・。
病をおして仕事をしていた理由がわかりましたね・・・。
死の間際でお互いの気持ちを確かめあう二人・・・。
「きみを 愛していると」
幸せのなかで息絶える美奈・・・。
ユリから与えられた傷が橋本くんの命も奪おうとしています・・・。
「君を一人に させずに すみそうだ 俺も・・・」
美奈のなきがらに倒れこむ橋本くん・・・。
同じ日に天に召された二人の悲しいハッピーエンドのお話でした・・・。
クリスマス会の日に色々ありすぎましたが、ひださんのストレートな心理描写が光る短編した。
『銀河の少女』1巻に収録されているので見かけた方はぜひ手にとって見てくださいね。