少女まんがファンに読んで欲しい作品が矢代まさこさんの「ようこシリーズ」。
若木書房から1964年から1966年にかけて28冊刊行された書き下ろし貸本まんがです。
共通しているのはヒロインの名がようこ、という設定の1冊完結のシリーズ。
ドラマ「ゲゲゲの女房」でも貸本まんが家の悲哀が描かれていましたね。
まんが家といえば、裸電球+ミカン箱で執筆というイメージは貸本まんがから出たものかもしれないですね・・・。
ようこシリーズは24年組や後続の少女まんが家に影響を与えた作品としてして名高いのですが、
不思議なことに復刻されないんですよね・・・。
なぜなんだろう・・・?復刻が待たれます。
この『見えない流れ』というのはシリーズ5作目にあたる異色作です。
サスペンスタッチの復讐譚。
これは映画『悪い種子』の翻案ですね。
(本人の意志ではなく、シリアルキラーの娘であるという「血」のせいで連続殺人を犯してしまうというはなしです)
同じ題材のわたなべまさこさんの『聖ロザリンド』より前に描かれた作品だと思うので、矢代さんの選んだテーマの先鋭性をあらわしているのかも…。