まんだらけ中野店で見つけました。
「章子のエチュード」のマーガレット・コミックス版♪
なんか違和感?…と思って、奥付をみると、発行年が1974年となっていました。
この作品はベルばらの直前の1972年に連載されたものなので、ベルばらのヒットを受けて単行本化されたのかもしれませんね。
表紙の絵はベルばら後期の雰囲気で、本文の絵は初期の絵です。
ほっぺがふっくらとしていて、60年代少女まんがの名残がある絵。
池田さんの絵はオスカル様たちが年齢を重ねるのに合わせて大人っぽくなっていったので、ベルばらを読んでいてもあまり違和感はないですが、章子のほうは別人に見えてしまいますね。2枚目の写真の章子と3枚目の写真の章子はまるで別人…。
久しぶりに昔のキャラを描いて見ました、という趣が面白いです。
この作品はベルばら前夜なだけあって、池田さんのドラマツルギーが完成しつつあります。
他の作家さんも似たような話を描いていると思いますが、池田さんのものは見せ方がすごいです…。激流というかんじ…。
絵がきれいなこともあるし、エピソードも的確。キャラクターも多彩で、テーマに対する池田さんの意識が漲っています。
交通遺児や妾腹など、少女まんがではお馴染みの設定を、池田さんは問題提議として取り上げ、人間の生き方、愛についての問答に発展させます。
チョット堅い、といえばそうなのですが、そこは華麗な絵とラブ・ロマンスで中和しているんですね(ベルばらでもこの方法がいかされていますね)。ほぉーっ(池田さんの作品によく出てくる嘆息)。
また、池田式ヒーローが確立されたのもこの作品ではないでしょうか。
それまでの池田さんの連載のヒーローは西谷祥子さん系、というか、七三わけの優等生ぽかったんですが、「章子のエチュード」では設定年齢を大学生に上げたことによって、水野英子さん系の大人の男性になっています(池田さんのお好みはこちらですよね?)。
かくしてベルばらが開花していったのね、と改めて感動しました…。
蛇足ですが、わがままなお嬢様の真由子様が出色です。