池田理代子さんの代表作『ベルサイユのばら』と『オルフェウスの窓』の間ににひっそりとはさまれた全3巻の作品です。
『ベルサイユのばら』でわたしたちをとりこにした華麗な池田演出は、日本のお嬢様女子高を舞台にした本作でも健在です。池田さんの少女まんがにおける到達点だと思います(著者自身が〈最後の少女漫画〉と称しているオル窓は、後半の絵が大人っぽいし…?もちろん大好きですが!!)。
この表紙も特筆すべきかわいさですね…!愛蔵版を持っているのに、この表紙にひかれて買い求めました。
ベルばらのオスカルさまは男性として育てられた女性ゆえに、女性から思慕を受ける存在でした。この作品では「女性が見た女性」というテーマを掘り下げるために、女子高という「女の園」が設定されています。少女たちの美点だけでなく、もろさやみにくさといった生々しい内面が、少女まんがの華麗なテクニックを駆使して描かれているんです。男女の学園ドラマが流行していた時代に、敢えて女性の世界の愛憎を描こうとしたのが面白いなあと思います。
池田さんは当時流行の少年愛ものはあまりせずに、ボーイッシュな女子(オスカルさま系ですね)にひかれる少女…という話をいくつか描いています。
この着想はどこからなのか、どこかで発言があるとよいのだけど。
池田さん研究は続きます…。