また更新から遠ざかっていて、すみません……
風邪をひいたり、ドッタンバッタンしていたら日にちが過ぎていました。
何曜日に更新とか決めたほうがいいかも知れないですね。
つい最近、神保町シアターで『花つみ日記』(1939)という作品を観ました。
吉屋信子原作の女学生ものです。
彼女は当時の人気作家ですから映画化されている作品は多いのですが、
少女小説となると絞られます。
多いのは家庭小説を元に作られたメロドラマでしょう。
今回観た『花つみ日記』は吉屋少女小説の映画化に成功した数少ない作品の1つになると思います。
丸顔のデコちゃん(高峰秀子)と、高峰三枝子系のクールビューティ 清水美佐子の好対照。
憧れの先生役を演じた葦原邦子(元宝塚の男役スタアで 中原淳一夫人)も適役です。
一緒に観た方がチーフ助監督が市川昆だったと教えてくださったのですが、
納得!の昭和モダニズムでした。
高峰デコちゃんって、当時は15歳だったらしいですが、
この作品の彼女は少女女優というより、プロでした。
天才少女と呼ばれていたのも、しかたないくらいの凄みがあるんです。
共演している少女たちから浮き上がってしまいかねない存在感。
ほんとうはセーラー姿のデコちゃんの写真とか貼りたいんですが……
乙女の祈りの楽譜にしました。冒頭ではこれをアレンジしたものが抒情的に流れるんです。
ラストにも葦原邦子の歌唱があったり、音楽も充実した、隠れた佳品です。
昔の全音のピースのデザインて、かわいいですよね。